【一口馬主考察①】遅生まれは本当に不利なのか!?5月生まれの競走馬の成績を調べてみた!!

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早生まれで大型の馬は本当に有利なのか

 今回の考察は遅生まれ編です。

 近年、3歳新馬戦がなくなり、かつ3歳未勝利戦が秋季番組から姿を消した影響か、2歳馬の使い出しが全体的に早くなってきました。とくにノーザンファームはそれが顕著な感じを受けます。早期デビューをさせて早めに賞金を確保し、あとはクラシックに向けて成長を促しながらレースを使っていくというパターンです。

 今年の未勝利戦は9月5日(日)が最後。しかし、この時期の未勝利戦は登録数が多く、優先出走権を持っているか、節を空けないと使うことができません。なのでだんだんとリストラされる馬が増えてきました。クラブによっては地方にいったんおろして勝ち星をあげさせ、再び中央に挑戦という形も見られますが、ノーザン系のクラブではよほど見込みのある馬以外はすぐに見切られてオークションに出されてしまいます。私もエルスネルという馬で一度この気持ちを経験していますので、他人ごとではありません。一口馬主にとっては、まずはとにかく1勝をしてほしい。それが切なる願いでしょう。

 それを踏まえると、遅生まれの馬よりも早生まれの馬に出資したほうが有利なのでしょうか。これは一概にそうということはできません。

「軽種牡生産技術総合研修センター」のレポートによると、遅生まれの馬の多くは1歳の秋ごろまでには成長曲線が早生まれの馬に追いつくということです。一方、早く生まれたにもかかわらず、発育が停滞してしまう馬もいます。

 早生まれで大きな馬に生まれたからといって、その後も順調に成長するとは限らないということです。また、遅生まれで小さな馬だからといって、その後に急激な成長を遂げる馬もいます。

ひとまず5月生まれの馬の成績を調査

 上記のレポートでは、「体重や体高など数値で示せる記録を残し、それを連続的に見て評価をすることが重要」としています。

 それを見ることができれば苦労はしませんよね……。そうしたデータがあれば大変ありがたいのですが、ノーザンファームおよびシルクホースクラブがそれを用意してくれるとはとても思えません。

 逆にいえば、新興一口馬主クラブがそれを用意することができれば、出資会員を集めるにあたっての大きな武器になりそうです。YGGさん、どうですか?(笑)

 ひとまず、ノーザンファーム産の遅生まれの馬のなかで5月生まれの馬の競走成績を見てみましょう。3歳、4歳、5歳の重賞勝ち馬を見ていきます。

3歳世代

オープン馬は27頭。日本ダービーを制したシャフリヤールや皐月賞を制したエフフォーリアなどがいます。5月生まれのオープン馬は3頭です。

ピクシーナイト 牡 5月14日 GⅢシンザン記念
グレートマジシャン 牡 5月7日 GI日本ダービー4着
デュアリスト 牡 5月15日 JpnⅡ兵庫グランプリ

4歳世代

オープン馬は40頭。朝日杯FSを制したサリオス、大阪杯を制したレイパパレなどがいます。5月生まれのオープン馬は1頭です。

ミヤマザクラ 牝 5月2日 GⅢクイーンC

5歳世代

オープン馬は59頭。安田記念などを制したグランアレグリア、有馬記念などを制したクロノジェネシスなどがいます。オープン馬は3頭です。

パルティアーモ 牝 5月16日  LメトロポリタンS2着
ジェットモーション セ 5月22日 4歳上3勝クラス三方ヶ原S
スイープセレリタス 牝 6月5日 4歳上3勝クラス晩春S

 こうして見てみると、5月生まれのオープン馬が少ない様子がうかがえますが、ふとこう思いました。

あれ、これって単純に5月生まれが少ないだけじゃね?

 圧倒的に母数が少ないからこのような結果になるのではないかと。

 ということで、3歳世代のうち、ノーザンファーム産の5月生まれの馬を洗い出してみました。

 この年、ノーザンファーム生産で競走登録された馬は全部で480頭いました。そのうち、5月生まれの馬は全部で46頭。その競走実績の内訳は、以下の通りです。

・未勝利 24(牡馬10頭、牝馬14頭)
・1勝以上 22頭(牡馬13頭、牝馬9頭)

 未勝利馬に割合のほうが若干多くはありますが、じつに47%の馬が勝ち上がるという結果となりました。遅生まれとかぶっちゃけあまり関係ないですね。

 なお、牡牝別に見たときに、遅生まれの牝馬のほうがわずかながらに未勝利率が高いという結果になりました。牡馬のほうが成長の度合いが高いということなのでしょうか。

 ちなみに3歳世代において、キャロットクラブの勝ち上がり率は46.3%、サンデーサラブレッドクラブの勝ち上がり率は57.3%、シルクホースクラブの勝ち上がり率は52.4%です。だいたいノーザンファームの勝ち上がり率の平均値あたりを叩き出している形です。

 ただし、4歳世代以上で5月生まれの活躍馬がほとんどいないのが気になります。この頃には生まれ月などは関係なくなっているとは思うのですが、これはいったい何を示すのでしょうか。

 近年、ノーザンファームは意図的に仔出しのタイミングを早めているのか、1月、2月生まれの馬が多い実感です。冒頭でも述べましたが、その背景には、早期デビューをさせて早めにクラシックに向けての賞金を確保するという思惑があるかと思います。

 そうした中で、期待の高い良血馬をなるべく早期に生まれるように意識しているのかなと。その結果が、4歳世代以上の結果にも結び付いているのかなと思いました。

 もちろんこれは推測にしか過ぎません。今後もデータを注視しながら、遅生まれの馬に対するさまざまな見解をしていければと思います。

 

 

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