キングマンってどんな馬?産駒の特徴は?【一口馬主のお勉強・種牡馬考察編part.2】

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一口馬主全般
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名マイラー・スプリンターを生み出すファミリー

 はいさい、零細一口馬主です。

 今回は大好評(?)企画、一口馬主のお勉強・種牡馬考察編part.2と題して、東京サラブレッドクラブの特別追加募集でも話題になっているキングマンについて学んでいきたいと思います。

写真:Florian Christoph

 まずはキングマンの血統と基本データから見ていきましょう。

出典:https://www.jbis.or.jp/horse/0001223183/pedigree/

生年月日:2011/2/26
毛色:鹿毛
父:Invincible Spirit 愛国産(父父Green Desert 米国産)
母:Zenda 英国産(母父Zamindar 米国産)
主な競走成績:
愛2000ギニー(GI・芝1600m )・セントジェイムズパレスS(GI・芝1600m )・サセックスS(GI・芝1600m )・ジャックルマロワ賞(GI・芝1600m)
種付け料:2022年度は15万ポンド(約2295万円)

 2011年に産まれたキングマンは、2013年にデビュー。3歳時、英2000ギニーの2着を経て愛2000ギニーで初GI制覇を飾ると、セントジェイムズパレスS、サセックスS、ジャックルマロワ賞とマイルGIを連勝。その後の活躍が期待されましたが、喉の感染症のために引退。若くして種牡馬入りを果たしました。

 初年度産駒は2016年にデビュー。ヨーロッパでは、仏2000ギニー(2019年・GI芝1600m)・イスパーン賞(2020年・GI芝1800m)・ムーランドロンシャン賞(2020年・GI芝1600m)を制したPersian Kingや、ジャックルマロワ賞(2020、2021年・GI芝1600m)・セントジェイムズパレスS(2020年・芝1600m)・クイーンアンS(2021年・GI芝1600m)・ロッキンジS(2021年・GI芝1600m)を制したPalace Pier、アメリカではハリウッドダービー(2020年・GI芝1800m)・マンハッタンS(2021年・GI芝2000m)・ターフクラシックS(2021年・GI芝1800m)を制したDomestic Spending、日本でもNHKマイルカップ(GI芝1600m)を制したシュネルマイスターが活躍するなど、世界各国でGI馬を輩出しています。

 馬場適性を問わないのは大きな強みですね。自身もスピードが勝ったマイラーであったように、その豊富なスピードは確実に産駒にも受け継がれ、やはりマイルを主戦場として活躍している馬が多い印象を受けます。  

 もっとも、父Invincible Spiritは2002年のヘイドックススプリントC(GI・芝1200m)を制したスプリンターでしたし、日本でもなじみのある父父Green Desertも1986年のジュライC(GI・芝1200m)を制した名スプリンターでした。

 Invincible Spirit産駒としてはイッテツが2017年の京阪杯(GⅢ・芝1200m)で3着、現3歳馬のブルースピリットが芝1400mで3勝をあげるなど、やはり短距離傾向が強いですね。

 Invincible Spiritを父に持つ繁殖牝馬も近年日本に何頭か導入されており、2020年にシルクホースクラブで募集されたベルマレット(牝2)の母アイムユアーズⅡなどがいます。ベルマレットの父はヨーロッパでマイルGIを4勝したRibchester。5着に終わった1800mのデビュー戦から距離を短縮して臨んだ芝1400mの未勝利戦で4着と着順を挙げていますし、やはり種牡馬としても母父としても、豊富なスピードが受け継がれると見てよさそうです。

 一方、キングマンの母Zendaも仏1000ギニー(GI・芝1600m)を制したマイラー。母父Zamindarもモルニ賞(GI・芝1200m)で2着。

 以上のことを踏まえると、キングマン産駒の適性距離は1200m~1600mにあるといえるのではないでしょうか。

 シュネルマイスターは先日毎日王冠(GⅡ・芝1800m)を勝利していますが、安田記念やマイルチャンピオンシップの走りを見る限り、やはり本質的にはマイル以下が合っていそうな気がします。

ノーザンダンサーのクロス持ちが走る?

 血統のことはまだまだ勉強中の身でわからないことだらけなのですが、キングマン産駒の活躍馬を見ると、どれもノーザンダンサーのクラスを持っていることがわかります。

 たとえば、Persian Kingはダンチヒの4×4(ノーザンダンサーの5×5、Palace Pierはノーザンダンサーの4×5、Domestic Spendingはノーザンダンサーの5×5、日本馬でみると、シュネルマイスターはノーザンダンサーの5×5、エリザベスタワーもノーザンダンサーの5×4のクロス持ちです。

 まぁ現代競馬においてノーザンダンサーの血が入っている競走馬は全体の8割といわれているくらいなので、その血が入っていない馬のほうが少ないかもしれませんが(笑)。ただ、ノーザンダンサーの血が薄いよりは濃いほうがスピード能力が着実に受け継がれると考えることができるかもしれません。

 今回、東サラで特別追加募集されるキングマン産駒も当然のようにノーザンダンサーのクロスを持っているのですが、1頭だけ5代血統表にノーザンダンサーの名前がない馬がいます。それは、スピーディボーディング20です。

 もっとも5代父Storm Birdの父はノーザンダンサーですし、母系のサドラーズウェルズの父もノーザンダンサーなので、そこまで意識する必要もなさそうですが。

 シュネルマイスターの活躍を見て、今後もキングマン産駒が日本へ来る可能性は高そうですし、はたしてノーザンダンサーの血が濃いほうが走るのか、それとも何か別の要素が関係してくるのか、スピーディボーディング20の活躍には注視したいと思います。

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