先日、ノルマンディーオーナーズクラブよりなんと「2020年産第4次募集馬が発表されました。今回はラインナップされた6頭のうち、岡田スタッドがセールで購入した外国産牝馬2頭について見ていきます。
2頭ともOBS Spring Sale出身!
OBS Spring Saleは2022年4月19日~22日にかけてアメリカ・フロリダ州オカラでおこなわれた2歳トレーニングセールのことで、正式には「Ocala Breeders’ Sale」といいます。
このとき、岡田スタッドは以下の2頭の牝馬を購入。それがそのままノルマンディーの4次募集に回ってきた形です。
・Senior Prom(シニアプロム)の20
・Roman Mistress(ローマンミストレス)の20
2頭の歩様動画、セール時の調教動画がHP上で閲覧できるので、落札価格と合わせて見ていきましょう。
シニアプロムの20
シニアプロムの20の基本情報は以下のとおりです。
馬名 | 性別 | 父 | 公開調教ラスト1ハロンのタイム | 落札価格 |
シニアプロムの20 | 牝 | Twirling Candy | 10.1 | 6万ドル |
【歩様動画】
【公開調教動画】
出典:https://www.obssales.com/aprresults/2022/
シニアプラムは2011年生まれ。父は日本でも比較的おなじみのMr. Greeleyで、現役時代は2勝を挙げています。
本馬は母9歳のときの産駒で、どうやら初仔の模様。測尺は要チェックですね。
シニアプラムの母Very Veryもとくにステークスウィナーは輩出しておらず、いまいち活力に欠ける血統といえるかもしれません。
動画を見た感じだと、そこまで好みではないですね。もっと前の出がぐーんと伸びるタイプが好きなのですが、この馬の場合はちょっと固そうな感じを受けます。おそらくダートですね。
一方、本馬の父Twirling Candyは2007年生まれ。本馬は父13歳のときの産駒です。
Twirling Candyは現役時代にマリブステークス(GI・ダート1400m)を制覇。パシフィッククラシック(GI・ダ2000m)で2着、ハリウッドゴールドC(GI・ダート2000m)で3着と距離が延びて勝ち切れていないあたり、やはり適性距離はマイルなのでしょう。また、デルマーダービー(GⅡ・芝1800m)を勝利していることからも、スピード能力は相当高そうです。
すでにアメリカでは4頭のGI馬を輩出しており、実績も十分です。日本ではあまりなじみのない血統ですが、セイウンストリームがダート短距離戦で2勝しています。
また、ジアナズドリーム(三嶋牧場)、フィンレイズラッキーチャーム(ノーザンファーム)の2頭の繁殖牝馬が導入されており、近いうちに母父としてデビューを果たしそうです。
なお、Twirling Candyの父Candy Rideはガンランナーを輩出していることで知られます。
Candy Rideは母父としてラーゴム(きさらぎ賞制覇)、サンタエヴィータ(ダートで3勝)、ラレータ(ダートで3勝)を輩出しているので、Twirling Candyもそのスピード能力がうまく産駒に伝われば日本でも活躍馬を出しそうな気配はありそうですね。
ローマンミストレスの20
ローマンミストレスの20の基本情報は以下のとおりです。
馬名 | 性別 | 父 | 公開調教ラスト1ハロンのタイム | 落札価格 |
ローマンミストレスの20 | 牝 | Tapwrit | 10.2 | 8万5,000ドル |
【歩様動画】
【公開調教動画】
出典:https://www.obssales.com/aprresults/2022/
ローマンミストレスは2006年生まれ。父はフサイチペガサスで、現役時代は1勝で終わっています。
本馬は14歳のときの仔。これまでの産駒で活躍馬はとくにいませんが、近親のバントライン(父シーキングザゴールド)が日本で走り、ダート短距離戦で3勝を挙げています。なんと馬主はサウスニア。いまをときめく広尾の前身ですね。
本馬の父Tapwritは2017年にベルモントステークス(GI・ダ2400m)を制覇。2018年に引退して2019年からスタッドイン。2022年にデビューを迎える2歳馬世代が初産駒となるので種牡馬としての実績は未知数ですが、Tapwritの父はTapitは日本でもすでにテスタマッタをはじめ多くの活躍馬を輩出しているため、日本の馬場への適性度はありそうです。
歩様も、個人的には好きです。やわらかみがありそうで、瞬発力に長けていそうな気がします。芦毛(あしげ)でかわいらしいところもポイントです。
公開調教ではやや頭が高いものの、なかなか力強い走りを披露していました。まっすぐ走れている点にも好感が持てますね。気性もおとなしそうです。ただ、ちょっと神経質で繊細な一面を持ち合わせていそうな点は気になりました。
シニアプラムの20よりは、ローマンミストレスの20のほうが個人的には好きです。
あとは価格。8万5,000ドルでの落札なので、日本円にして約1,140万円。輸送費などを合わせると、だいたい2,000万円ほどでの募集となるのではないでしょうか。
・・・ノルマンで2,000万円超えの馬には出資したくないな(笑)。
ともあれ近日中にデータがすべて公開されるはずなので、それを見たうえで、再度検討したいと思います!